動物病院の待合室でおなじみの通販カタログ「PEPPY(ペピイ)」を発行する株式会社PEPPYさん。
実は2025年8月には「うちの子防災セット」というペットの防災グッズを発売しています。「飼い主さんの防災袋に入る犬猫用防災スターターセット」という手軽さを特徴とした、一味違った防災グッズはどのように生まれたのでしょうか。
今回はペットリテール事業部カスタマー戦略本部にて通販事業のカタログ制作やチラシ・広告などの販売促進を担当されている丸山さんにお話しを伺いました。
<今回インタビューに協力いただいた方>
株式会社PEPPY
ペットリテール事業部カスタマー戦略本部
丸山千絵子さん
【主な担当業務】
通販事業「PEPPY」のカタログ制作や、広告・チラシなど販売促進関連の部署の方を統括されています。
【一緒に暮らすパートナー】
アルくん(ミニチュア・シュナウザー 5歳)
イヴちゃん(ミニチュア・シュナウザー 2歳)
動物病院に設置される通販カタログ情報誌からスタートしたペットの総合事業会社
–改めて企業の紹介をおねがいします。
1994年に動物病院設置の通販カタログ情報誌からスタートしました。現在はペット用品のBtoC通販と、動物病院向け医療消耗品・機器販売のBtoB事業がメインです。グループ全体では、ペット共生型高齢者住宅や愛玩動物看護師の育成専門学校も展開し、「人と動物が一緒に関わりながら生活していく環境」を総合的にプロデュースしています。
「PEPPY」は「PET」と「HAPPY」を掛け合わせた造語で、「愛犬・愛猫と1日でも長くハッピーに暮らしたい」という想いが込められています。
2025年2月に新日本カレンダー株式会社から分社化したことで、よりペット特化の事業に注力できるようになりました。本社のある「NKスクエア玉造(大阪)」には獣医師会や夜間救急動物病院が集まっており、この専門性を活かした外部連携も強みです。
–丸山さんご自身も、ペットと一緒に暮らされているんですよね?
そうなんです。
ミニチュア・シュナウザー2頭と一緒に暮らしています。きっかけは一目惚れでしたが、彼らのおかげで友人が増え、生活が豊かになりました。仕事面でも、飼い主さまの気持ちに寄り添う上でこの経験が役立っています。
2頭が仲良く過ごす様子を見ると、微笑ましく、多頭飼いの良さを実感させられています。


また、現在の仕事に就くきっかけにもなったのが、子どもの頃一緒に暮らしていた、ゴールデン・レトリバーなので、まさに全ての原点に犬の存在があると思います。
ペット防災との出会い
–現在は「うちの子防災セット」の販売をされていますが、もともとはどのような経緯でペット防災に取り組み始めたのでしょうか?
関西に本社があるため、阪神淡路大震災の経験から、元々防災意識は高かったのですが、大きな転機は東日本大震災でした。仙台の獣医師会からの要請でペットシーツなどの物資支援を続ける中で、ペット防災の重要性を再認識したんです。
この課題を伝えるため、2012年のカタログで現地取材の特集記事を2号にわたり掲載しました。


そのような経緯があって以来、保護施設などの特集記事を、定期的に取り上げては紹介するということが繰り返されてきており、弊社内では意外と昔から防災に対する課題意識を持って取り組んできていたように感じます。
–取材記事の掲載以外にも取り組まれてきたこともあるんですよね?
そうなんです。
2018年頃に簡易的な防災セットを発売しました。当時はペット用防災セット自体が珍しく一定の購入はありましたが、今ほど世間の防災意識が高くなく、「自分の住むエリアでも災害が起こるかもしれない」という意識は薄かったように感じます。


「お一人でも持ち出せる」手軽さと重量へのこだわり
–そんな中でどのようにして、「うちの子防災セット」は生まれたのでしょうか?
社内でも防災セットに対するニーズは昔からあったのですが、通常の商品開発とは異なり、防災の専門知識が必要なため難航していましたが、カタログの販促企画としてプロジェクトが始動しました。
防災特集を組む際の、象徴となる商品が欲しいという想いが開発のきっかけです。
制作にあたり他社製品の調査も行いましたが、どれも想いが詰まっていて本格的な分、価格が高く重い傾向にありました。
しかし、弊社の場合、通信販売という業種柄、「手間をかけたくない」「自分で細かく揃えるのが難しい」と感じる方がメイン層なため、「手軽な価格」と「一人で持ち出せる重量」で差別化を図りました。
–具体的にどのような工夫をされたのでしょうか?
被災時に女性がペットを抱えて持てる荷物は5kgが限界と言われます。命に不可欠な水は重いため、ボトルではなくパッケージ袋を「給水袋」として代用する仕様にしました。


また、最後は飼い主さま自身でカスタマイズしてもらう前提で、愛犬・愛猫の情報を書き込める「防災の冊子」の同梱にもこだわりました。
–たしかに。人によって必要なものが異なるからこそ、最後は飼い主さまご自身でカスタマイズしてもらう必要がありますね。
制作を進める中で特に苦労されたポイントはありますか?
やはり、「何をいれるか」を決めるのに苦労しました。
価格制限もある中で「必要最小限」を絞り込む線引きに一番苦労しましたが、お客様から「実際に役立った」との声をいただいた時は大きなやりがいを感じます。

先日も御社のイベントの際に、実際の商品を展示しながら直接ご説明すると、「飼い主さまの防災セットに入れられる防災セット」という考え方に共感いただくことが多かったです。
また、「実際にご自宅でどのような準備をされてるか」というリアルなお話を伺うことができたのは、対面のイベントならではの経験でした。
ペット防災が繋いだご゚縁
–先ほど、イベントのお話が出ましたが、ペット防災に関する取り組みから我々との繋がりもできたんですよね。
そうなんです。
「うちの子防災セット」の開発を始めるにあたり、情報収集をしていた際に御社の青森版の防災サイトを見つけまして、営業担当の方に繋いで頂いたのがきっかけです。
また、「うちの子防災セット」の発売に合わせて弊社の防災のポータルページを刷新する際にも、御社のサイトを参考にさせて頂きました。情報が整理されたことで、よりお客さまに伝わりやすいサイトになったと思います。
–ありがとうございます。嬉しいです。サイトがきっかけで繋がりましたが、その後は我々の方がイベントでお世話になるばかりで・・・
いえいえ!こちらこそありがとうございます。
今回初めて現地でイベントに参加させていただきましたが、 御社のイベントはスタンプラリーやワークショップなど、敷居が高くなりがちな「防災」を楽しく学べる工夫が満載で、大変勉強になりました。


おかげさまで、弊社のブースにもたくさん集客いただけたので、参加して本当によかったです。
しかし、防災セットに込めた想いを伝えたり、「そもそもどうしてこういうものが必要なのか」をさらに分かりやすく伝えるためには、まだまだ改善できることがあると思ったので、今回の経験を生かして行きたいと思いました。
御社のブースでは飼い主さまと愛犬が一緒に参加できる防災のワークショップもなさってたと思いますが、特に関西ではなかなか大きな規模でそのような取り組みをしているところを見たことがなかったので、新鮮でした。


–お褒めの言葉まで頂き光栄です。これまではイベントという軸でご一緒させていただく機会が多くありましたが、今後一緒に挑戦してみたいことはありますか?
自治体や他企業を巻き込んだ繋がり作りです。
ペット防災は一社だけで解決できない社会課題です。災害が頻発する今、飼い主さまの不安を解消するためには、業界の壁を越えてリアルな情報交換や助け合いができる関係性が不可欠だと思います。
御社との繋がりを通じて、幅広い方々と連携の輪を広げていきたいです。
飼い主さまへのメッセージ
–改めて丸山さんから飼い主さまにメッセージをお願いします。
飼い主の皆さまには、まず「自分にできる簡単なこと」から始めてほしいです。
以前、専門家の平井潤子先生に取材した際、「まず飼い主自身が生き延びる『飼い主力』が何より大事。飼い主が助からなければペットの準備も意味がない」と言われ、ハッとしました。
日用品のローリングストックなど、難しく考えず、簡単にできることから一歩を踏み出してみてください。
参考:平井潤子先生監修の記事
関係者の皆さんへのメッセージ
–それでは最後にペット防災に取り組む未来の仲間である、業界関係者のみなさんへメッセージをお願いします。
私たちはペットと飼い主さまの生活を支える企業として社会に貢献したいと考えています。
一社でできることには限界があるからこそ、企業の壁を越え、共に課題に向き合う仲間として繋がっていけたら嬉しいです。
–貴重なお話をありがとうございました。
(インタビュー実施日:2026年5月8日)
▶丸山さんにもご協力いただいたイベントの様子はこちら



